教科書の中では、歴史の主役はいつも大きな功績を残した偉人の名前で埋め尽くされている。
でも、18年間カメラを通して“現場”を見てきた感覚で言うと、歴史を動かしているのは、主役の偉人たちだけじゃない。
社会の歪みに巻き込まれ、その日暮らしをしているホームレス。
吹雪の山中で、見ず知らずの誰か一人を救うために捜索を続ける山岳レスキュー隊。
戦争が残した不発弾を、今も静かに処理し続ける沖縄の“不発弾処理のレジェンド”。
彼らは、世間の主役ではないが名脇役。
その名前が、歴史の教科書に載ることはほとんどない。
だけど、誰かの「人生の歴史」を決定的に変えているのは、いつもこういう“無名の主役”たちだ。
僕は、こうした市井の脇役を取材して、映像という名のスポットライトを当ててきた。
だからこそ、思う。
今日、あなたが出した小さな決断や行動が、誰かの未来を静かに書き換えているかもしれない。
歴史は、上から降ってくるものじゃなくて、現場の小さな選択の積み重ねでしか動いていかない。
なぜなら、そうしたあなたが、歴史の主役に他ならないから。
『チ。』を見て、感化されてしまったかな。




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